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ありがちだけれど、軽く済ませられない事故かも
子どもは口に入るものなら何でも口に入れてしまうというのは、よく言われることです。
小さなおもちゃ、電池などには注意しても、口に入れるのが当たり前の食べ物の場合はどうでしょうか。
例えば、ピーナッツや豆菓子など。粒が小さく、噛まなくても簡単にのどを通ってしまいますが、食道ではなく気管に入り込んでしまったら一大事です。
それも、「歩き食べ」「ふざけ食べ」のようなケースのみならず、例えばご飯を食べている最中に「好き嫌いしないで食べなさい」などと注意され、泣き出してしまったような場合、
深く息を吸い込んだ瞬間に、食べ物のかみはしが気管に入り込む、といったケースもあります。
これがもしも詰まってしまったら窒息すらあり得るのですから、所詮は食べ物などと簡単に考えるのは危険です。
食べ物がうまく飲みこめない
食べ物も空気も入るのは同じ「口」です。入った後、空気は気道を通り、食べ物は食道へと入っていきます。
気管というのは食道よりも前にありますが、食べ物が気管に入らないように、「喉頭蓋(こうとうがい)」と呼ばれるふた状のものがブロックして、空気以外にものを通さないようにしてくれます。
水や薬を飲む要領で、意識して唾液を「ごくっ」と飲み込みながらのどのあたりを触れてみると、何か動いているのがわかるでしょう。男性の場合は、のどぼとけの動きでより顕著です。
この動きこそ、喉頭蓋が働いている証拠です。喉頭蓋が動くタイミングがずれてしまうと、食道に入るはずの食べ物が気管に入り込んでしまうのですが、これを「誤嚥(ごえん)」と呼びます。
食道も通らないようなものを丸のみしようとしても無理ですが、もしも喉頭蓋がうまく動いてくれないと、小さなものなら簡単に気道のほうに吸い込まれてしまいます。
大抵の人はこのとき、ゲホゲホと激しむせき込んで、異物を取り除こうとしますが、万が一、その異物が気管支のほうまで達してしまうと、せき込みすら出てきません。
すると、気管に異物が入り込んだことに気づかないわけです。
入りこんだものをそのまま放置すると、呼吸困難になったり、飲み込んだものが原因で気管支に炎症を起こしたりするおそれがあるので、ゆゆしき事態です。
レントゲン写真を見てもうつっていない?
実は異物が入り込んでしまったときは、レントゲン写真を撮っても、うつりにくいのです。
ただでさえ、どこに何が入り込んだかを特定しにくい状態で、その上もろく割れてしまうようなものなら、取りだしも困難。
こうなると、全身に麻酔をかけて異物を取り出すための手術をするような大事にさえ発展してしまいかねません。
ナッツ・豆類は、子どもがもう少し大きくなってから
豆菓子やナッツ類は美味しく、つまんで食べる行為も楽しいもので、おやつにぴったりな気がしますが、
実は小さな子どもにとっては危険がいっぱいであることは、誤嚥事故が1歳くらいの子どもに多いということからもわかります。
園や御家庭では、もう少し大きくなってから与えるようにしましょう。
このような誤嚥に気づいて正しく対処できていれば、その後注意のしようもありますが、子どもが気づかないうちに、何らかが気管に入り込んでいるような場合もあります。
せき込みがひどい、呼吸時に不快なノイズが入るといった原因は、誤嚥による吸い込みの可能性もありますから、御家庭でも園でも、そういった異変に気づいたら、すぐに原因を考えてみる必要があります。
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