妊婦のココロエ
大昔、梓みちよさんの『こんにちは赤ちゃん』という歌が大ヒットしました。
生まれてきてくれた小さな命を母親目線で愛おしむ美しい曲ですが、実はこの歌、本当は「お父さん目線」の歌だって御存知ですか?
作詞をした永六輔さん自身がそういう気持ちで書き、それを産婦人科のお医者さんが看破したというエピソードがあるそうです。
というのも、多くの女性は、お腹に赤ちゃんを宿した瞬間から、「お母さん」の気持ちになってしまうからです。
つまり、生まれてきた我が子を見た瞬間に「自分は父親」という実感を覚える男性に比べ
(もっとも男性でも、妊娠中の女性にあまりにも共感してしまい、つわりや妊娠線を共有してしまう人もいるそうですが)
40週も早く母親気分を味わえるのですから、かなりお得といえましょう。
それまで酒豪と言われた女性がパタリとお酒をやめ、どんなヘビースモーカー、チェーンスモーカーでもたばこを潔く捨て、高いヒールのおしゃれ番長がぺたんこ靴に履き替え、
ラフなスタイルで産婦人科に通い、母親学級で熱心にメモをとり、食べ物一つにもこだわりを見せ……こんな様子を目の当たりにしたこともあるのではないでしょうか。
それはあなたの姉妹かもしれないし、奥様かもしれないし、場合によったら、あなた自身が自分の変化にビックリしつつ、「そうせずにはいられない」心境になっているのかもしれませんね。
もちろん、母親になるための基本的な「心構え」はとっても大切ですが、それ以外にも、覚えておいた方がいいこと、覚えておくと得なことはいっぱいあります。
母親学級にマメに通うあなたやあなたの配偶者ならもう御存知のことかもしれませんが、いま一度、おさらいのつもりで読んでいただければ幸いです。
栄養
まず、栄養面。
「葉酸」を多く摂取しましょう。
食品だけから摂ろうすると、なかなか難儀しますが、妊婦向けのよいサプリメントもありますので、有効活用してください。
DNAの正常な合成を促して、赤ちゃんにとって栄養満点の環境を作ってあげるために必須です。
食べ物でいえば、カボチャ、ブロッコリー、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、納豆などの大豆製品、ほかにもイチゴなどに豊富だと言われてます。
苦手な食べ物が多いという妊婦さんは、よい機会ですので、苦手克服に挑戦してみてもいいのでは?
出産後、赤ちゃんの好き嫌いを決定づけるのは、何といってもご飯をつくる機会の多いお母さんです。
逆に、ビタミンAの過剰摂取には気を付けてください。ビタミンというと体によさそうですが、胎児の奇形に深いかかわりがあると言われているのです。
ただし、前述のような緑黄色野菜に含まれているものは、外に排出しやすいので問題ありません。
ウナギなどの動物性でビタミンAの豊富なものは、しばらく控えた方が無難です。
体によいといえば、実は玄米も難物です。フィチン酸という成分がミネラル類と結合してしまい、吸収できなくなってしまうんですって。
「葉酸タップリで滋養のあるおかずと銀シャリ」を心がけましょう。
ストレス
上手にストレスを解消する、料理の味付けは薄目を心掛ける、リラックスのためにアロマテラピーの習慣を持っていた人は、かかりつけの先生に相談してみるなどなど。
アロマに関しては、例えば花粉症の症状緩和に使われることもありますが、妊婦にはリスクがある場合もありますから、必ずお医者さんか、詳しい方に尋ねてみましょう。
ストレスや塩分・糖分の過剰摂取がよろしくないことは、説明の要はないかもしれませんね。
その他
あとは何でしょう。
かかとの高い靴は危険回避のために避けてください。
ただでさえ腹部が出て不安定になっているところに、あえて不安定で歩きにくい靴を履く理由はありません。
産休ぎりぎりまでオフィス務めという方なら、せいぜい3センチの履き心地のよいパンプス程度にとどめてほしいものです。
また、市販薬の摂取は絶対に厳禁です。
「妊娠は病気ではない」という言葉が誤解されて伝播していますが、「病気ではないから、普通の生活ができる」という意味ではありません。
「病気ではないから、風邪などの不調の際に、薬で治すことができない」という意味に解釈するべきです。
妊娠中の体調不調の際は、定期検診とは無関係にかかりつけのお医者さんのもとへ。これ、鉄則です。
スポンサードリンク