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出典 http://kids.wanpug.com/
子どもが集まる保育園や幼稚園では、ちょっとした切り傷を作ってしまうのは日常茶飯事かと思います。しかし、なかには指の切断などの大きなけがを負ってしまうことも。
保育園・幼稚園でのスタッフの対応を中心に、どのようにそのけがに対処したらよいか考えてみましょう。
子どものけが・切り傷の原因は?
けがの中で最もおなじみ、といったら語弊がありますが、けが、傷などといわれると、先の鋭いものをひっかけるなどして簡単にできてしまう「切り傷」が思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
幼稚園や保育園は、小さな子どもが集団で生活をしているところなので、子どもが触れると危ないようなものは置かないようにするという配慮があるのが普通ではないかと思いますが、
どれだけ気をつけていても、ちょっとしたことで小さな切り傷を作る可能性はゼロではありません。
例えば、お絵かきや折り紙の紙。よく新品のお札のことを「手が切れそう」と表現しますが、新品のパリッとした紙で手を切ってしまうことは往々にしてあります。
工作のときに使うはさみなどは、材質に気を配ったり、先端がとがっていないものを使ったりすることが多いようですが、
少し年齢の高いお子さんの場合、細かい作業をするために使うカッターナイフでケガをする可能性もあります。
子どもは好奇心の固まりですから、しっかり注意しないと、ありとあらゆるものに触れようとします。
それは屋内、屋外問いません。ちょっとした不注意から、放置されていたガラスや瀬戸物の破片などを拾ったりすることもあるでしょう。
まずは傷の手当て。気をつけたいことは?
切り傷自体はそう大きくないことが多いものの、小さいから大丈夫ということはありません。小さな切り傷から菌が入り化膿してしまうなど、大事に至る例は多くあります。
外観からわからないようなけがであっても、お子さんが痛がっていたり、手を洗ったときに「しみて痛い」などと訴えたら、看過せずにしっかりとチェックし、
傷があったら洗う、消毒する、バンソウコウで押さえるなど、そのときできる正しい処置をすべきです。
消毒液を痛がって泣くかもしれませんが、「ここから悪いバイキンが入っちゃうと大変だから、ちょっと我慢しようね」と優しく諭し、しっかりと手当てしてあげてください。
その後、止血をするのですが、バンソウコウで間に合う程度の小さな傷ならば、患部にガーゼが当たるようにしっかりと、ある程度圧迫感を与えるようにぎゅっと巻いてしっかり張ります。
最近では貼り換え不要で短時間で治してくれるタイプのものもありますが、単価が高いこと、お子さんが煩わしがってはがしてしまう可能性があることを考えると、
安価で大容量のしょっちゅう貼り換えのできるタイプのものを使った方が、清潔を保つのには便利だと思います。
ただし、物によっては「安かろう悪かろう」な製品もあるので、できるだけ粘着力のしっかりしたものを選びましょう。
患部が広かったり、やや大きな傷の場合は、滅菌ガーゼの上からサージカルテープで固定した方が安全かもしれません。必要があればその上から包帯を巻きます。
傷が大きい・深い可能性がある場合の対処法
まず、最初の応急処置については、さきに書いたとおり消毒と止血が基本ですが、速やかに病院に連れていきましょう。
傷の正確な程度や深さを判断するのは、やはり素人には難しいので、きちんと見てもらうのが賢明です。
切り傷が深いところまで達していると、内部の組織まで傷がついている可能性もあります。
また切り傷が目の近くだったりした場合、視神経を傷つけるなど、早いうちに正しい処置をしないと、手遅れになってしまう可能性もあります。
運動障害などの深刻な影響がある場合も考えられますから、速やかかつ慎重な対処が必要です。
子どもが小さいうちは、かかりつけの小児科の先生や、持病がある場合はそういった関係のお医者さんについてはチェックに余念がない保護者さんや園スタッフは多いと思いますが、
子どもは意外と思わぬところでけがをするものですから、そういった場合のために、直近の外科の先生や、休日・夜間の場合はどういったところで診てもらえるかを常に頭に入れておくか、
あるいはすぐ確認できる方法を確立しておくことも大事です。
例えば、パソコン、スマフォで、携帯などで病院について簡単にWEB検索できるサイトにすぐアクセスできるようにしておき、速やかに電話で状況を伝えたり、確認したりできるようにしておくというのはいかがでしょうか。
傷の痛みを訴え、泣きやまないときの対処法
子どもがけがをした場合、本やインターネットを参考に、考え得る最善を手当をしようと努力すると思いますが、
大人のそうした思惑は置いておいて、子どもがずっと痛がって泣きやまず、おろおろしてしまうこともあるでしょう。
びっくりして気持ちが高ぶっているだけならば心配ありませんが、一度、手当てをした患部を確認することもぜひおすすめします。
というのも、消毒が十分になされないままガーゼで押さえてしまったため、細菌が入り込んでしまったとか、また、ガラス、陶磁器、刃物のけがの場合は、そのかけらが傷口に残っている可能性もあります。
確認した上で、けがをした部分が熱を持っていたり、はれたりと、明らかに状況が悪化しているのがわかった場合、専門のお医者さんに診てもらった方が賢明です。
幼稚園や保育園で預かっている園児の場合には、保護者にくわしい事情を連絡・説明することもお忘れなく。
指などが切断されてしまっている場合の対処法は?
刃物や重くて鋭いものなど原因はさまざまですが、事故の際に手や足の指などが切り落とされてしまう可能性もゼロとは言い切れません。
そのような状況は、あまりにも非日常的すぎて、親も園のスタッフも、気が動転してしまう可能性がありますが、
できるだけ冷静に、まずは救急車を呼び、それと並行してしっかりと血を止める手当てをしましょう。
当たり前ですが、子どもは非常に痛がるでしょうし、バタバタと暴れるかもしれません。
それを制止するのは大変かもしれませんが、切り落とされてしまった部分の付け根をぎゅっと強くしばるなどして、圧迫してください。
その後、清潔なガーゼ(未開封状態だった滅菌のもの)を当ててしっかりと押さえるのです。
切り落とされた指などの部分は、そのまま滅菌ガーゼなどにくるんで病院に持っていくようにしてください。このとき、洗ったり、消毒したりは不要です。
ところで、ここで一つ注意ですが、例えば、家や園の近くに外科専門の病院などがあったとしても、応急処置の後、すぐに病院に連れていこうとは考えないようにしてください。
「救急車を呼ぶ」ことの意義はここにあります。
というのも、切断されてしまった手指・足指その他を縫い合わせる手術の必要が出てくるかもしれませんが、これは大変高度な技術を要するので、残念ながらどんなお医者さんでも対応できるというものではありません。
救急車を呼べば、事情を説明して、対応してくれる医師のいる病院へ搬送してもらえます。
園での事故の場合、状況が状況ですから、子どもの保護者にすぐに連絡し、必ず来てもらうようにしましょう。
一刻を争う状況でもあり、すぐ駆けつけるのが困難あるいは無理だという場合は、園スタッフがしっかりと医師の説明を聞き、後々フォローすることが大切です。
ただ、後々トラブルに発展するおそれがありますから、やはりできる限り保護者の方には来てもらい、一緒に説明を聞いてもらった方がいいでしょう。
状況がよくつかめないために、「その程度ならお任せしますよ」と軽く判断してしまう方もいるかもしれませんが、
できるだけ冷静に順序立てて事の重大さを説明し、来てもらうことを前提に、説得する格好で話を進めるのがいいでしょう。
最初は園に一任と考えていた保護者でも、何とかして駆けつける努力をする方に気持ちが傾くかもしれません。
「子どもの手の届かないところに」は基本中の基本
子どもが日常的に遊ぶ遊具や使う道具は、最近では安全面を考えて設計されているものが増えていますから、実はさほど神経質にならなくてもいい場合も多いものです。
でも、「子どもが触れるもの」ばかりを考えてそちらに意識が行ってしまい、大人が何気なく使うハサミ、カッターのたぐいの管理がおろそかになっていることはないでしょうか。
むしろ子どもにとって安全な環境を保つ切り札は、こちらといってもいいかもしれません。刃物類を使った後は、その辺に出しっ放しにはせず、子どもの手が届かない場所にしっかりとしまいましょう。
「危険物はお子さんの手の届かないところに」というのは、やはりお子さんと同じ空間で過ごす際の基本なのです。
また、プライバシー保護などの目的で、最近ではオフィス(この場合は園と考えていいでしょう)だけでなく、家庭用のシュレッダーも普及していますが、
子どもがそのシュレッダーで指を切断してしまったという事故が多発しています。
シュレッダーは、子どもの目には「面白そう」なマシンに映るということでしょう。
また、普段からカッターや包丁等を「これは危ないからさわっちゃだめだよ」としっかり教えられ、それをきちっと守っているお子さんであっても、
一見ただの箱にしか見えないシュレッダーが、実はそういった刃物以上に危険なものであると認識できないかもしれません。
好奇心に駆られて触り、気づいたら……というケースもあるものと想像されます。
もしもシュレッダーに指が巻き込まれるようなことがあれば、指自体をぐちゃぐちゃに損傷するなど、取り返しのつかないことになってしまいます。
シュレッダーによる事故は、一瞬目を離したすきに容易に起きてしまいますから、
ポータブルなものならば、使うときだけ出して終わったらしまう習慣をつける、据え置きの場合は、使うときだけ電源を入れるようにするなど、注意と工夫が必要です。
以上、保育園・幼稚園での対処法を中心にまとめてみました。けがをしないように日ごろから注意し、万が一けがをしてしまったときの対処法も、しっかりと頭に入れておきましょう!
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