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母乳のメリットは栄養だけではありません
生まれたばかりの赤ちゃんは、まずは「おっぱい」で栄養を摂ります。
お母さんの母乳が望ましいのですが、さまざまな事情で母乳が飲めない赤ちゃんの場合は、市販の粉ミルクを溶かしたものが与えられます。
人工栄養にも利点は多くありますが、ここでは母乳のいいところを特にお話ししましょう。
母乳は妊娠や出産で自然に出てくるようになりますが、出方は人それぞれ。乳頭ににじむ程度の人もいれば、まるで噴水のように吹き出る人もいます。
最初は全く出る気配のなかった人でも、マッサージをしたり、赤ちゃんに吸ってもらったりすることで、パツパツにおっぱいが張って、出やすくなることもあります。
母乳というのは、「白い血液」という異名からもわかるように、元をただせばお母さんの血液です。
お母さんが口にした食べ物が、そのまままさに赤ちゃんの血肉になるとイメージしたら、お母さんも身が引き締まり、「ちゃんと栄養を摂らなくちゃ」という気になるのではないでしょうか。
実はこれこそが「母乳の最大のメリット」かもしれません。
つまり、好き嫌いを言わずに頑張って栄養を摂ったり、しっかり休養をとったりと、できるだけ「体にいいこと」を心掛けるようになりますから、
そんなお母さんの母乳ならば、赤ちゃんもおいしいおいしいと飲んでくれるようになり、さらにお母さんは頑張れるという好循環ができ上がります。
ただし、ビタミンKだけは母乳で供給することができません。これは出血を止める機能のあるビタミンですから、赤ちゃんにも重要です。
出産後、母子手帳に「ビタミンK投与済み」となどと書かれているのはこのためです。病院ではシロップ状のビタミンKを与えることになっています。
栄養を摂るといっても、特に何か凝ったもの、高いものを食べる必要はありません。ごくごく普通の、自分の体をいたわる食事を作り、摂るだけです。
母乳が足りない場合や、与えられない場合は、人工栄養を頼ることもあるでしょうが、基本的にミルクなどを買う必要がありませんから、余計なお金もかかりません。
ところで、人工栄養であるミルクの補給が必要かどうかは、おっぱいの出が悪いのが自分でもわかる、体重が増えない、始終お腹を空かして泣いているなど、
いろいろなサインがあるので、見逃さないようにしましょう。
頑張って母乳育児を続けていると、ミルクに頼るのは「負けた」ような気になるという人もいますが、大事なのは赤ちゃんの栄養ですから、そこは柔軟に考えてください。
それから、ミルクとの比較でいうと、母乳は赤ちゃんにとって消化がかなり楽なのだそうです。赤ちゃんが「お腹減った」といえば、すぐにその場で飲ませても大丈夫。
ミルクだと消化の際に少し負担かかります。「ミルクは○時間置き」と時間を切られるのは、こういったことも要因ですが。
また、母乳には免疫成分が含まれますから、赤ちゃんが風邪をはじめとする感染性の病気にかかるのを防いでくれます。
ただ、この効果はせいぜい半年ともいわれているので、おまけ程度の効果と考えたほうがいいかもしれません。
赤ちゃんの病気予防については、考えるべきことはいろいろありますが、また別の機会にお話ししましょう。
体にいいだけじゃない母乳のメリット
このように、体にいいことは説明されなくても何となく理解できるかもしれませんが、もちろん、母乳のいい点はそれだけではありません。
まず、スキンシップ。
赤ちゃんは小さな体で必死にお母さんに吸いつくので、お母さんはそんな赤ちゃんの様子を見て、いとおしい、守りたいという気持ちが湧き上がります。
母性の醸成といってもいいかもしれません。
赤ちゃんも、お母さんにしっかりと抱かれ、おっぱいを飲むことで、栄養だけでなく精神的安定や安心が得られます。
これはお母さんにしかできない特権ですから、可能ならば行わない手はありませんよね。
赤ちゃんだけでなく、母乳はお母さんにも大変嬉しいメリットがあります。
産後の子宮の回復が早められますし、授乳中というのはある程度食べても、赤ちゃんが全部吸い取ってしまうのか、不思議なほど体重が増えません。
しっかり食事を摂っているはずでも、しばしば空腹を感じることがありますが、この授乳期に感じる独特の「くうふく」は、1字置き換えて、どこか「こうふく(幸福)」につながるものがあります。
ただし、だからといってやみくもに食べるのは禁物ですよ。断乳後に同じペースで食べていたら、吸ってくれる赤ちゃんもいませんから、ただただ体脂肪になってしまうだけです。
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